谷崎 潤一郎 たにざき じゅんいちろう

1886年 - 1965年

東京・日本橋に生れる。東京大学国文科中退。
在学中より創作を始め、同人雑誌「新思潮」(第二次)を創刊。
同誌に発表した「刺青」などの作品が高 く評価され作家に。
その耽美的な作品で、自然主義が隆盛を極めていた当時の文壇に大きな衝撃を与えた。
当初は西欧的なスタイルを好んだが、次第に純日本的なものへの指向を強め、伝統的な日本語による美しい文体を確立するに至る。
漢語や雅語、俗語や方言を駆 使した端麗な文章と、作品ごとにがらりと変わる巧緻な語り口が特徴である。
1949(昭和24)年文化勲章受章。
1965年(昭和40年)7月 30日腎不全から心不全を併発し、79歳で死去。
主な作品に『痴人の愛』『春琴抄』『卍』『細雪』『陰翳礼賛』など。

美しきに征服される喜び、妖婦の血が目醒めるとき

 
「刺青」は、1910年(明治43年)に雑誌『新思潮』に掲載された短篇小説です。
谷崎潤一郎 24歳の時に書かれた処女作として広く知られています。
この作品が、耽美派と呼ばれた永井荷風(当時文壇の中心であった「自然主義」に対して、反自然主義 運動を展開していた)により絶賛され、
谷崎潤一郎は作家としての地位を確立しました。

(あらすじ)

清吉という、腕利きの彫り物師がいた。
豊国国定の作風を慕い元は浮世絵師をしていた、その筆力と鋭い感性は多くの人を魅了し、評判であった。
この若い彫り物師は、日々の仕事で苛虐的嗜好に快感を得ながら、それと同時に、一つの強い願いを持っていた。
それは「光輝ある美女の肌を得て、それへ己の魂を刺り込む事」。
彼が満足するだけの理想的な美女を求め、何年も何年も、あきらめることはなかった。
 その願いを胸に抱いてから丁度4年目のこと。
清吉はとある料理屋の前で駕籠に乗り込む一人の女を見かける。美しく白い素足。整った指に可憐な 爪。
その足を一目見て彼は、“この女こそは”と後を追う。
結局見失ってしまうが、顔も素性も知らないその女に、清吉は激しい恋心を抱くのだった。
そして年が暮れ、春も終わりに近づいたある日の朝、一人の娘が清吉の家を訪ねて来る。
それは馴染みの辰巳芸者がよこした使いの者であったのだが……。

女の体に眠る毒婦の血を鋭敏に嗅ぎ取り、それを目醒めさせた男の末路とは如何なるものか。
なまめかしくも神々しい、妖しくも強靭な、谷崎独自の 美世界を皮膚で感じることが出来る作品です。
2013年より東京・埼玉にて好評を博し、2016年、鎌倉初お目見えの『朗読者』。
vol.1の今回、この「刺青」を、円覚寺佛日庵別院ツドイの蔵にて上演します。
静寂にして絢爛な極彩色の世界をご体感ください。


2016年5月21日 土曜日
時間:14:00〜 ※13:30 開場
料金:2000円
会場:円覚寺佛日庵別院 ツドイ  神奈川県鎌倉市山ノ内495-9


■交通■

□JR横須賀線・JR湘南新宿ライン 【北鎌倉駅】より徒歩30秒
□駐車場はございません。お車での来場はご遠慮ください。



■ご予約方法■

□朗読者 in KAMAKURA・HP予約フォーム
https://ssl.form-mailer.jp/fms/3f20a4b7434412
□FAX:048-222-2024
お名前、ご住所、電話番号、人数を明記の上、送信ください。
※電話でのご予約お申し込みは出来ません。
※未就学児童の入場はお断りしております。ご了承ください。


■お問合せ■

朗読者実行委員会
332-0011 埼玉県川口市元郷2-15-13
TEL:048-222-2369 , 090-3080-4234(担当 金子)
MAIL: webmaster@art-kouba.com

宣伝美術/木立十
協力/円覚寺佛日庵
製作/快飛行家スミス
主催/朗読者実行委員会

※演出の都合上により、開演後の入場はご遠慮いただいております。予め時間の余裕を持って お越しください。



若い刺青師の霊(こころ)は墨汁の中に溶けて、皮膚に滲んだ。

焼酎に交ぜて刺り込む琉球朱 の一滴々々は、彼の命のしたたりであった。

彼は其処に我が魂の色を見た。



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